☆ 地下鉄にて

会社へは毎日地下鉄で通勤しています。混んでいるとはいえ、日本に比べると人と人とがくっついているところまではいっていなくて、まだ文化的な混み方です。電車は次から次へと来るし、どれに乗っても早さは同じだから焦って乗ることもないからでしょう。痴漢なんかもいないんだろうなと思います。そんな中、日本ではあまり見かけなかった(と思います。)ものをちょくちょく見かけました。仲の良いカップルです。結構混んだ電車の中ですが、場所を気にせず(電車の中の端とか真ん中とか関係なくといった意味ですが。)ベターッと抱き合っています。中には唇を合わせているカップルもいます。

好き合っているやつは好き合っていたらいいと思うので、別にはしたないとも思いません。私は若い頃は空振りのし通しだったこともあって、多少のうらやましさはありますが。しかし、目にする頻度が日本に比べると段違いなように思います。流石に朝の出勤時は見ませんが、帰りは必ず一組は見るような気がします。二組見ることもちょくちょく、時には三組なんて事も。別に地下鉄中を見て歩いているわけではないので、要するに入口一つに一組いるみたいな感じです。三組って事は、周り中カップルということです。う～～～ん。

☆ 若者だけではなかった

街を歩くようになると今度は手をしっかりつないで歩いている中年、老年のカップルをよく見かけました。若年のカップルは日本でも手をつないでいるので目につかないだけで、よく見るとやっぱりしっかり手をつないでいます。ということは、街を歩くカップルは老若を問わず皆手をつないでいるわけです。う～～～ん。

☆ 仲良きことは美しき哉

ある日、会社に花束が贈られてきました。うちの会社の女子社員宛です。いったい何だろうと思ったら、誕生祝い。「誕生日に花を贈るってのは異性がすることだろう、でも彼女は結婚してたよな。」と思ったら、彼女の旦那さんからでした。日本的に考えれば、「そんなことは家でやれよな。」でなもんですが、相手にいかに愛されているかを誇示する(というほど露骨な思いではないようですが。)意図があるようです。

どうも、香港では「相思相愛の相手がいて、そいつと深く愛し合っていればいるほどイケてる」ってことのようです。それでなんか今まで見てきたことの全てに合点がいきました。日本だと私くらいの年でカミさんと手をつないだりするとかなり恥ずかしい気になるのですが、こちらだとそれをしないとイケてない奴になるわけですな。相思相愛であれば、はたからもそう見えないとイケてない訳ですな。まあ、日本なんかは複数の異性を手玉にとったりするとイケてるって事になるのであって、一人の異性にぞっこんなんてのはまぁなってしまえば別になんて事もないんでしょうが、端から見てても別にイケてるとは思われないと思うので、かなり考え方が違います。

ここまできて、思いましたが、香港の方が考え方が素直ですね。「好きなんだったら、好き合ったらいいじゃん。」「おまえ、手もつなぎたくない奴と一緒にいんの? バッカじゃないの。」ということですからね。日本とか韓国とかシンガポールは、晩婚化と少子化が急速に進んでいるようですが、香港はこの分だと大丈夫じゃないかと思います。

そういえば中国語で「愛人」というのは、奥さんのことなんですよね。日本語だと嫁さん以外の人を指しますが、なんか「へっ、んじゃ、日本人は好きでもない奴と結婚すんのか。」みたいな突っ込みが入りそう。

(2005年1月22日　記)