☆ 「MHK週間子どもニュース」って何じゃ??

「NHK週間子どもニュース」というのは、NHK総合が週に一回放送している小中学生向けのニュース番組です。

☆ なにがそんなにいいの??

小中学生向けとして作成されていますが、大人向けとして考えてもかなりアカデミックで、通常の報道内容でわいた疑問がこの番組で氷解するというケースも少なくありません。かなり込み入った問題も噛み砕いて全貌が分かるようにしてくれるので、かなりの大人のインテリが見ても価値のある内容になっています。

多少愚痴っぽい言い方になりますが、最近のニュース番組は非常に情緒的に流れてませんか。ニュース報道に魂を入れるといったようなことがお題目なんでしょうが、しかしいたずらに感情を表現することが魂を込めるということにはならないでしょう。むしろ、視聴率を気にする余り画一的な感情表現になりがちで、結果報道番組としての品位を落とす結果になっているケースが殆どではないか、と感じます。もっともらしげで画一的なコメントのニュース報道を見ると、週間子どもニュースの方がよほど知的でハイセンスに見えます。

これまでの報道で印象に残っているのは、一つは阪神大震災の時の報道です(えらく前ですが、番組のスタンスはその時から変わっていないので。)。あの地震は活断層に絡んで発生したものでした。それまでの地震に関する情報は「地震はプレートの動きに関連して起きる。」という内容のものが多く、大地震はプレートの活動によって起こる、と理解していた私はいきなり活断層といわれて、「え!?いままでプレートプレートっていってきたのは何だったん??」と思いました。そんな中、「みなさん、今までプレートプレートって聞いてきたので、いきなり活断層といわれて、面食らってますよねぇ。」という断り書きで始まって、プレート、活断層を含めた地震発生のメカニズムを説明してくれたのが、この週間子どもニュースでした。この時いろいろな地震報道を見ましたが、それまでの報道の偏りも含めて説明を構成するという視点はこの番組だけで、改めて、この番組の視野の広さ、配慮の深さ、志の高さに恐れ入った次第でした。

地震といえば、今年の春に宮城県で大規模な地震がありました(7月の活断層のやつじゃないですよ。その前のやつです。)が、その時新聞には「プレートによる地震であるが、これによってプレートが元に戻ったわけではなく、宮城県沖地震の危険度は低下していない。」と報道されていました。「いったいどういうことだったんかいな。」という疑問がわきましたが、この疑問に答えてくれたのも週間子どもニュースでした。

現在のニュース番組の中で最もインテリ向きといっていい内容と思います。

☆ いつ見られるの??

NHK総合テレビで毎週土曜日18:10～18:42に放映しています。

☆ もっと詳しい情報は??

公式サイト

こちらになります。過去の内容も結構掲載されています。

池上さんの本

週間子どもニュースの池上家のパパ、池上彰さんが結構中高生向けの時事解説本などの本を出しているので、紹介しようと思ったんですが、えらく多いんですね。断念しました。アマゾンででも検索してみて下さい。

(2003年9月12日　記)