★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのがらくた箱
「ワンピース」だけだと、「女性の洋服の一種だろうけど、今時そんな言い方ほとんどしないぞ。」というリアクションもあるかもしれませんが、「アニメの」とマクラをつけると、もう全然説明いらないくらいの人気アニメなので、やれ私がなんだかんだ言うようなものではないと思います。(最近、そんなんばっか。「SilverSackが取り上げたものは旬がすぎたものが多い。」なんて話もちらほら。)
私は冒険ものとか戦いものとかそういったスリルのあるもの、ドキドキするようなものは、苦手なタイプです。ワンピースなんて最も私が苦手とするもののはずですが、でも嵌ってしまいました。ストーリーとしてもかなり強引な設定が多くて(しかも所々破綻してたりして)、綿密な構成を頓に好む私は、端から白けてしまっても不思議ないのです。いったいどこがそんなに良かったんでしょう。
ワンピースとの出会いは、フジテレビのアニメを見たのが最初でした。その時は、30分間殆ど戦闘シーンだけで終始して、どんな筋なのか全くわかりませんでした(今思うとリトルガーデンのあたりの話だと思います。)。ワンピースが結構人気あるアニメであることは知っていたので、「最近の若いモンの好みはわからん。」となったのでした。その後、家内の実家に行ったとき、ワンピースの単行本を見つけて読んだところ、勧善懲悪の実に読後感のいい話であることがわかって、読み始めたわけです。
ワンピースの魅力は、既に語り尽くされた感もあるので、今更私が「新たな魅力を語る」なんてことはありえないのですが、個人的には、「読後感の爽快さ」が最大の魅力だと思っています。「斧手のモーガン」、「道化のバギー」、「ドン・クリーク」、「のこぎりのアーロン」、「ブリキのワポル」、「サー・クロコダイル」、「雷神エネル」とも相手を倒した後のエンディングが何とも感動的です。この爽快さの基調にあるのは、武士道にも通ずるような多少偽悪的な美学で、そういう意味では女性でこの話に魅力を感じる人は少ないのではないかなと思っています。で、この爽快さを強いものにしているのは、そこに至る戦闘シーンの強い緊迫感です。実際、この感動的なエンディングの前のは、その10倍もの分量の戦闘シーンが鎮座していて、読者は、その爽快であろうエンディングを渇望しながら、戦闘シーンを読み進めていくわけです。で、待てば待つほどその爽快感は増すと。戦闘シーンがエンディングの10倍なんて話もしましたが、たとえば「サークロコダイル」との戦闘シーンは45話、「雷神エネル」との戦闘シーンは、55話に渡っており、もう週刊誌で読んでいる場合は、一年も緊張を解かずに戦闘シーンを読み続けることになるわけです。
もう一つは、構成力でしょう。最初の「斧手のモーガン」の話は、導入部-1話、戦闘シーン-4話、エンディング-1話の計6話で完結したのですが、その後「道化のバギー」-14話、「キャプテン・クロ」-20話、「ドン・クリーク」-27話、「のこぎりのアーロン」-27話と長編化の一途をたどり、「バロックワークス」の話では、中に「ウィスキーピーク」(10話)「リトルガーデン」(15話)「ワポル王国」(24話)の話を内包しながら、115話(なんと二年以上)に渡ってストーリーが展開されるというとんでもないことになっていて、これはちょっとなんというか、図抜けた構成力だと思います。その後の「空島」も85話に渡って展開されました。(今の「ウォーターセブン」はどうなんでしょう。こういう話は一週一週切って読むと感動が薄れると思って、単行本で読むことにしているので、この後の話は実は全く知りません。(爆))
(2004年11月28日 記)