☆ 背中を押してくれる音楽

One Piece Super Bestは、2007年2月に発売された「TVアニメ・ワンピース」のオープニングテーマ、エンディングテーマを集めた二枚組CDです。(もう2年にもなるんですな。)ワンピースのテーマソングには好きな曲も結構あったのですが、この年で買うのも気が引けたので、子どもが「買いたい」という今まで延びてしまいました。(初版はDVD付きだったそうです。絶対こっちが良かった。残念!)TVアニメは視聴率が落ちたのか、日曜ゴールデンタイムから日曜朝に移って、それと共にエンディングテーマはなし、オープニングテーマも旧版の焼き直しバージョンと、テーマソングにカネ・ヒマをかける気はなくなったようなので、このCDでテーマソングはほぼ全て網羅できます。

癒しの時代ということなのか、最近の音楽の主流は、メロディアスな、叙情的な、刺激的でないテーマの曲であるように思いますが、このサイトの他の音楽記事を見ても分かるとおり、そういうのでは全く満足できないのです。「みんな特別なオンリーワン」といわれても、「現状を100%肯定するってことは、実は進歩なしってことじゃん。」と思ったりするので。これよりは、「嵐が来たら肩組んで、その先の光を見よう」という方が、私にとってはリアリティがあるし、健康であるような気がします。やっぱり私は、先に進んでくれる音楽、そうでなければ少なくとも背中を押してくれる音楽がいいなと思います。

そういう意味では、歌詞がいいなと思うのですが、実は結構ワンコーラス目で力尽きてるのが多いですね。きっと、「最初にテレビで流すワンコーラス目だけ先に作って、CD化する時に後の部分を作るんだろうな。」なんて想像してます。「ヒカリへ」にしても「Bon Boyage」にしても「ココロの地図」にしても2コーラス目の歌詞は途端にダサダサになっているので。とはいえ、私にとっては「嵐が来たら肩組んで、その先の光を見よう」の部分だけで、至極の一曲です。

☆ J-POPって、やっぱりすごいんだろうなぁ

全部で28曲入っているわけですが、テレビアニメのテーマソングといって、バカにできない内容だよなぁと思っています。で、20とちょっとのアーチストの曲が入っているわけですが、1曲でもこのレベルの曲をかける連中がこれだけウヨウヨしているのに、ちょっと驚きます。やっぱり、J-POPってすごい。香港でこれを目当てに日本語を習う連中が多いのも、さもありなんと思います。

私の年代だと時の進歩を感じます。私が学生の頃はかっこいいと思う音楽は日本には殆どありませんでした。心情を歌うモノトーンの表現ばかりで、音そのもので何層もの表情を持つ表現をできた音楽はありませんでした。(森園勝敏さんとか、春日博文さんとか、星勝さんあたりは、かなりのレベルでしたが。)それが、力むことなく、軽々とこういった曲がぽんぽんと出てきてしまうのですから、時代の進歩には驚くと言うしかありません。

もう一つは、地域性ですね。中国出張があると、カラオケで中国語の唄の一つも歌わないと、様にならないので、何曲か覚えてみたのですが、はっきりいって気に入った曲はありませんでした。中国の唄にしても、香港の唄にしても、台湾の唄にしても、やはり音の表現の幅が日本の曲に比べるとせまい、歌詞も大仰だったり、直情的だったり、私の感覚からするとリアリティがない、全体的に力んだ印象があって、力の抜き方が下手、というところで、30年くらいの経験の差があるように感じます。

☆ ネット上の更なる情報

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(2009年 2月 4日　記)