★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのMusic Box
平穏に日が昇る中、薄汚れた黄色い肌の子供達が遊んでいる
近くの赤いお堂では、母親が祈っている
お国のためとかいってみんな死んじゃって
ご先祖様はみんなお見通しだよ、と
あの兵器が近づいているのも知らず
軍服の侍を見送っていたときもそうだった
ヒロシマ、誰も想像できなかった
戦争に勝った者も、犠牲になった者も
哀れな生存者も、そして、
そのボタンに手を掛けたその本人が
下に落としたその手下さえも
誰もその結果を信じたくなかった
神よ、神は我々と共にある、神は我々に力を授けたのだ
黄色の連中に勝ち目はないことを教えてやろう
それがクリスチャンの慈悲というものだ
トルーマンよ、奴らを地獄に落としてやろうじゃないか、もう一度地獄に
かまどはこうやって作るんだってのを
枢軸国の連中に見せてやろうじゃないか(一瞬で唐揚げさ)
ヒロシマ、誰も想像できなかった
戦争に勝った者も、犠牲になった者も
哀れな生存者も、そして、
そのボタンに手を掛けたその本人が
下に落としたその手下さえも
誰もその結果を信じたくなかった
ヒロシマ、ナガサキ
きみ、忘れたりしてないだろうね
ヒロシマ、ナガサキ
きみ、忘れたりしてないだろうね
よもや、恥知らずにも忘れちゃったんじゃないだろうね
「これは、アメリカ合衆国から
日本の国土に住む人々への公式な通知である。
明日朝、1945年8月15日、午前8時15分、正確にこの時間に、
我々は、広島と長崎に爆弾を投下する。
これは新型爆弾で、これらの都市を一瞬で更地にする威力がある。
これは、君たちに対する唯一の警告である。」
ヒロシマ、ナガサキ
きみ、忘れたりしてないだろうね
ヒロシマ、ナガサキ
きみ、忘れたりしてないだろうね
よもや、恥知らずにも忘れちゃったんじゃないだろうね
ヒロシマーーーーーーー!!!
(原詩)
Under the rising sun dirty yellow children play
And in the red pagoda mamasan is praying
Blood wasted saving face,
Ancestors are looking on
As they wave their silver samurai
Underneath the big gun
Hiroshima, no one could imagine
Not the victors nor the victims
Pitiful survivors
Nor the pawn of a man
Who had the button under his hand
No one would believe it
God, God is on our side, he placed the power in our hands
To teach the yellow peril,
This is Christian mercy
Harry, harry give 'em hell, give 'em hell one more time again
We'll show those axis powers
How to make an oven [fry them]
Hiroshima, no one could imagine
Not the victors nor the victims
Pitiful survivors
Nor the pawn of a man
Who had the button under his hand
No one would believe it
Hiroshima, Nagasaki
Don't you ever forget,
Hiroshima, Nagasaki
Don't you ever forget,
Don't you ever fuckin' forget
This is the official voice of the United States of America
Addressing the peoples of the islands of Japan.
Tomorrow morning, on august 15th, 1945 at exactly 8:15 am,
We will bomb your cities of Nagasaki and Hiroshima
With a blast that will level these cities.
This is the only alert you will receive.
Hiroshima, Nagasaki
Don't you ever forget,
Hiroshima, Nagasaki
Don't you ever forget,
Don't you ever fuckin' forget
H-I-R-O-S-H-I-M-A---!!!
広島、長崎への原爆投下の日が近いということで、Utopia(Todd Rundgrenのバンドです)の「Hiroshima」を訳してみました。
先日、オバマ大統領が原爆使用国としての責任を認める発言をしたということで、日本で話題になりました。この「Hiroshima」という曲は、確か1978年の曲だったと思います。30年以上前にかなりストレートにアメリカ人が原爆の被害を歌っていたということで、アメリカの公式見解は「原爆投下は必要な行為だった」というもので、これが多数派であろうとも思いますが、こういうリベラリズムの流れもあるんだということは、いえるのだろうと思います。
曲調がオリエンタル調で、なんとなく中国風な気がするところは、ご愛敬です。(ま、んじゃ、ドイツ風とオランダ風の区別はつけられるかおまえ、といわれると、似たような結果になるでしょうから、人のことはいえませんが。)通知のナレーションの原爆投下の日付が8月15日になっているのは、ちょっとご愛敬では済まない気もしますが、Todd君の誠意に免じて今回は大目に見ることにしましょうか。(2009年8月7日)
二か所、誤訳に気づいたので、直しました。「No one would believe it」を「誰も信じられなかった」と訳してましたが、「would」ですもんね。直訳は「誰も信じようとしなかった」でしょうが、それだと意図が伝わらないよなぁと思って、上のように訳しました。後、「the axis powers」は、枢軸国(日独伊)の方で、連合国(米英仏他)ではないですよね。完璧に間違ってました。(2015年 3月 7日)
また、ちょっと変えました。「give 'em hell」は、「地獄を見せる」というよりは「地獄に落とす」という方が正確だろうということで。「もう一度」の意味は、第一次世界大戦で一回地獄に落としているからということです。そういう意味では日本は「もう一度」にはならないわけですが、ここでは「枢軸国に対して」ですからね。(2015年 9月12日)
まだ、誤訳がありました。「pawn」ですよね、「palm」じゃないですよね。で、訳し直しました。で、この「the pawn」ですが、これは原爆リトルボーイそのものでしょう。しかし、読み返して改めて思いますが、この歌詞の白眉は第2コーラスですね。ある意味、原爆の投下を正当化するアメリカの理屈そのものを事実に即して表現していると思いますが、それを改めて歌で客観的に聞くと、その正当化が疑問視すべきものに聞こえるという。見事です。(2016年12月 4日)
冒頭をチョコッと訳し直しました。改めて気づきましたが、冒頭の子供が遊び、母親が祈るシーンは戦後の光景で、ここから戦時中にフラッシュバックするという展開なんですね。だから、dirtyは戦後の貧しさを伝える言葉だし、その時間の経過、戦後と戦時中の光景の差も訳出しないといけないと思っての変更です。(2019年 8月24日)
(2009年 8月 7日 記
2019年 8月24日 更新)