☆ 香港の借家事情

もう4年も住んでいて今更ではありますが、香港の借家事情などについて少し。私みたいに

• 家族連れで
• 何年かして日本に帰ることがはっきりしている

場合、住むところ、住む家のタイプは自ずと決まってくることになります。

• 日本人学校(or インターナショナルスクール)への通学が便利で、
• 日本のものも含めた買い物が便利で、

ということになると、「太古(タイクー)」駅近辺か、「紅磡(ホンハム)」の辺りになると思います。小学校は、半島側にも香港島側にもあるので、この二カ所になりますが、中学校は香港島に方にしかないので、中学生もいる場合は、「太古(タイクー)」になると思います。ただ、「太古(タイクー)」のマンションは、古いものが多いので、隣の駅の新しいマンションなどを選ぶ方も増えているようです。それから、任期付きで香港に来ている場合は、家具付きのものを選ぶことになると思います。

香港では元々の賃貸というのはほとんどなくて、元々自分の家を持っている人が賃貸目的で買ったものが出ているのというが大半なので、同じ建物でも大家さんは違っていて、大家さんの当たり外れというのも結構大きいようです。これだけは事前に確かめようがないので、運ですが。

家賃は、死ぬほど高いです。私が住んでいるところは月HKD30,000.00以上、大体￥500,000.-/月というところでしょうか。「何??」てなモンですよね。でも、不動産屋さんで見るとこの物件辺りは今買おうとするとHKD750万位(大体1億円、億ションです!!)なんですね。で、家賃月30,000.00とすると250ヶ月分ということで、元手回収に20年以上掛かる訳です。実際は管理費とか修繕費も掛かるのでもっと掛かると思います。それを考えるとそんなモンかなぁとも思います。それが相場になっているということはそれで借りる人がいるということでしょうし。それから、「宵越しのツケはもたねぇ -香港経済の強さ-」で書きましたが、契約更新でも相場に応じて家賃は上下します。私が来てからは香港経済は好調ですから、二回の契約更新では家賃はきっちり上がりました。

☆ 香港の家の間取りなど

さて、上に書いたとおり、私が住んでいるところは「億ション」です。で、どんなに立派なところかというと

• 公称95平米、実質85平米程度。
• 3Bed Room。(日本の3LDKというイメージに近いでしょう。)リビング/ダイニングは大体13畳、主寝室は5畳、副寝室は3畳です。
• バス・トイレは二カ所。主寝室横にバスタブとトイレの組み合わせのが一つ、副寝室前にシャワーとトイレの組み合わせのが一つ。
• それと二畳の小部屋。

という感じです。「どこが億ションじゃっ!!」という感じでしょ? 値段も高いし、狭いしで、香港の住環境は悲惨といっていいでしょうね。昔、ウサギ小屋という名前で、日本の住環境の貧しさが揶揄されたことがありましたが、いや、香港の方がもっとひどいです。

広さの話はそんなところですが、文化の違いを感じるところも所々あります。

• まず、基本的に土足です。確か中国も土足だったと思うので、英国の影響でそうなったという訳ではないと思います。日本人などは、玄関に下駄箱を用意して、中と外を分けた環境にしますが、それを考えた間取りになってませんから、ちょこちょこ不便です。
• それから、浴室に洗い場がないのは日本人としては、かなり窮屈に感じますよねぇ。ま、海外では仕方ないですが。
• もう一つは、家政婦さん(こちらではアマさんといいます。以後こちらの呼び名で。)有りが全体の間取りになっていることです。上の土足環境は、ドイツで経験済みだったので、ビックリもしなかったのですが、アマさん前提間取りはちょっとビックリしました。というか、最初はアマさんを使うのが一般的なんて事も知らなかったので、「なんで、こんな間取りになってんだろ??」とえらく不思議がっていたのですが。
  上の間取りの説明で「二畳の小部屋」とありますが、それがアマさんの部屋です。で、一番ビックリするのがキッチンの扱いなんですね。日本では、奥さんが働く場として、キッチンは、カウンターキッチンとかダイニングと一体化して、明るい開放的な方向に変わっていっていますが、香港では逆にダイニングから隔離された空間になっています。アマさんが働くところだから、家人が生活する空間から切り離しているんですね。更に入り口に一番近いところに作られています。買い物はアマさんの役目、料理もアマさんの役目なので、キッチンを入り口そばに作っておくと、買い物から帰ってきたアマさんが家人の目に触れることなく、キッチンに入って料理をできますよね。
  でも、うちらみたいな日本人は奥さんが料理をするのですが、
  • キッチンがダイニングから離れているので、作った料理を出すのが面倒。
  • 全くの別部屋になっているので、エアコンの風が行かない。空調なし。で、料理をするとめちゃくちゃ暑い。
  とまあ、香港のキッチンはめちゃめちゃ不評です。端で見ていてもかわいそうやなぁと思いますから。もともとは分厚いドアが付いていたのですが、20cm位の特大ねじ回しを買ってきて外してしまいました。

(2008年 5月 3日　記)