★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのMusic Box
彼女は夫の愛を確かめたかった
どうすればいいかはよく分かっていた
別の女性を粧って彼を誘惑すればいい
彼女はそれ以上のことはできなかった
彼女は香水をふった手紙を送った
夫はそれを受け取って奇妙な喜びに囚われた
僕の妻のようだ
でもそれは涙に暮れるようになる前の妻
今より何年も前の頃の妻
美しかった頃の妻
そこにはこうサインされていた
「私の全てはあなたのもの
バブーシュカより、バブーシュカより
私の全てはあなたのもの
バブーシュカより、バブーシュカより」
彼女は更に事を進めた
彼女は会いたいといい会う場所を伝えた
それは夫がこのあったこともない女性と
恋に落ちるかどうかを確かめるため
夫はこの女性とは既にどこかで
あっているような気がした
不思議なことに彼女は
恋人だった頃の妻を思い出させた
願いを全て叶えてくれるような気がした
自分に冷たくなる前の妻のようだった
美しかった頃の妻のようだった
そして彼は叫んだ
「僕の全ては君のものだ
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ
僕の全ては君のものだ
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ
僕の全ては君のものだ
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ」
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ
バブーシュカ、バブーシュカ、バブーシュカ
(原詩)
She wanted to test her husband
She knew exactly what to do
A pseudonym to fool him
She couldn't have made a worst move
She sent him scented letters
And he received them with a strange delight
Just like his wife
But how she was before the tears
And how she was before the years flew by
And how she was when she was beautiful
She signed the letter
"All yours
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
All yours
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya"
She wanted to take it further
So she arranged a place to go
To see if he
Would fall for her incognito
And when he laid eyes on her
He got the feeling they had met before
Uncanny how she
Reminds him of his little lady
Capacity to give him all he needs
Just like his wife before she freezed on him
Just like his wife when she was beautiful
He shouted out
"I'm all yours
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
All yours
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
All yours
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya"
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya
訳したとおりです。夫の愛が醒めたのではないかと思い、妻は別の女性を粧って夫を誘惑する試みを始める。その女性に惹かれれば自分に対する愛はもうない、そうでなければ私への愛はまだある、と考えて。受け取った夫はこの女性にぞっこんになる。それは以前の妻のようだったから。夫の行動は、妻に自分への愛はもうないと思わせるものだが、実際には夫の妻への愛は続いているという、なかなか凝った構図です。で、この後どうなるかは、ハッピーエンドも破局も両方ありうるわけですが、作者は当然に結論をリスナーに委ねます。ところでbabooshkaというのはロシア語ですが、「おばあちゃん」という意味だそうです。
(2025年 5月31日 記)