★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのMusic Box
仕事から戻ったジュリエットは
朝ご飯の後片付けをする
そして、彼への期待を伝える
甘い香りに身を隠す
「さあ、ベッドメークしなくちゃ」
でも、せずに行ってしまった
だって、シネマショーに
遅れる訳にはいかないもんね
ロミオは、地下室のアパートに鍵をかけ
階段を駆け上がる
そして、意気揚々と花柄のネクタイを直し
週末だけの金持ち気取り
「さあ、ベッドメークするんだ」
彼は叫ぶ 「今日こそ、彼女と!」
そりゃあ、チョコレートのサプライズプレゼントも用意して
失敗する訳にはいかないよね
ティレシアス爺とちょっと時代をさかのぼってみよう
かの老人が自分の半生を語るのを聞いてみよう
「わしゃあ、北極から南極まで旅をしたんじゃ
だから、もう、不思議なことなぞ、なんもありゃしない
かつて、男ってのは、荒れ狂う海のようじゃった
女ってのは、全てを与える慈悲深い大地のようじゃった
まあ、しかし、実のところ、海より大地の方がでかいんじゃがな」
(間奏)
ティレシアス爺とちょっと時代をさかのぼってみよう
かの老人が自分の半生を語るのを聞いてみよう
「わしゃあ、北極から南極まで旅をしたんじゃ
だから、もう、不思議なことなぞ、なんもありゃしない
かつて、男ってのは、荒れ狂う海のようじゃった
女ってのは、全てを与える慈悲深い大地のようじゃった
まあ、しかし、実のところ、海より大地の方がでかいんじゃがな」
(シネマショーの一部始終)
(原詩)
Home from work our Juliet
Clears her morning meal.
She dabs her skin with pretty smells
Concealing to appeal.
I will make my bed,
She said, but turned to go.
Can she be late for her cinema show, cinema show?
Romeo locks his basement flat,
And scurries up the stair.
With head held high and floral tie,
A weekend millionaire.
I will make my bed
With her tonight, he cries.
Can he fail armed
With his chocolate surprise?
Take a little trip back with father Tiresias,
Listen to the old one speak of all he has lived through.
I have crossed between the poles,
For me there's no mystery.
Once a man, like the sea I raged,
Once a woman, like the earth I gave.
But there is in fact more earth than sea.
(interlude)
Take a little trip back with father Tiresias,
Listen to the old one speak of all he has lived through.
I have crossed between the poles,
For me there's no mystery.
Once a man, like the sea I raged,
Once a woman, like the earth I gave.
But there is in fact more earth than sea.
(the whole story of the cinema show)
ジェネシスの歌詞は、イギリスの文学に関するそこそこの常識が分かっていないとちゃんと訳せないといわれていて、そういう意味では、おっかなびっくり訳すことになります。この曲で出てくるのは、「ロミオとジュリエット」の「ロミオ」と「ジュリエット」、それからギリシャ神話に出てくる盲目の占い師ティレシアスの三名です。ロミオとジュリエットは、よくよく知られていますが、実は私は読んだことないし、ティレシアスのことも殆ど知りません。そういう意味では、彼らを登場させた意味合いについては、訳出できていない部分があるかもしれません。
歌は、上の通りで、ここに出てくるロミオとジュリエットは、貧乏カップルです。ジュリエットは、仕事が忙しすぎて、朝ご飯の片付けをするのは仕事が終わった夕方、ロミオは窓のない地下の安アパート住まいで、彼女へのサプライズプレゼントもチョコレートと、そんな具合です。で、週末のデートなんですが、ジュリエットは慣れない香水をつけて誘う気満々、ロミオも出がけに「今夜こそ!!」と叫んで出かけるわけですからこちらもやる気満々です。で、ティレシアス爺の言葉は、「男と女とはそういうもんじゃ」という所でしょうか。英語の表現でちょっとひねったかなと思うのは、第1コーラスの「Concealing to appeal」ですか。直訳すると「伝えるために隠す」といった感じですが、具体的な意味は上に訳したとおりです。
曲は、11分になる大作ですが、歌の部分は前半の6分ほどで終わって、その後の5分は、キーボード、トニー・バンクスの独壇場です。場面展開が多く、フレーズも豊かなソロは、シネマショーの一部始終を表現したものですが、見事です。バックでは、フィル・コリンズのドラムが秀逸です。ピーター・ガブリエル在籍時代のジェネシスの代表曲となっていますが、それに相応しい名曲です。(2016年 6月18日)
(2010年11月27日 記
2016年 6月18日 更新)