★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのMusic Box
(Instrumental)
1973年に発表されたGenesisの5枚目のアルバムです。ピーター・ガブリエルとフィル・コリンズが在籍していた3枚目から6枚目(ライブアルバム除く)は、叙情的なスタイルと歌詞が饒舌なスタイルが交互に出てきてました。3枚目の「Nursery Cryme」とこの5枚目の「Selling England by the Pound」は、叙情的、4枚目の「Foxtrot」と6枚目の「The Lamb Lies Down on Broadway」は、歌詞が饒舌なスタイルです。要は、ピーター・ガブリエルと他のメンバーが主導権の取り合いっこをしていたんですね。3枚目の「Foxtrot」は、23分にもなる長尺の「Supper's Ready」が入っていて、力作を評価する当時は「最高傑作」と評されていたんですが、ピーター・ガブリエルの意見が通り過ぎていたようで、フラストレーションがたまった他のメンバーがピーターの意見を封じる形で作ったのがこのアルバムだそうです。Genesisのアルバムの中では、私はこのアルバムが1番好きです。音楽的にハイブラウで、しかもバランスが取れているんですね。ヘンな重さがないし、ソロパートは構成もよく練られていて、フレーズのバリエーションも豊かだし。
「Selling England by the Pound」は、「イギリスをポンド単位で売ります」って意味ですが、当時の労働党のスローガンだそうです。そうなんだ。でも、イギリスの情景をいろいろと描写しているこのアルバムにはぴったりのタイトルだなと思いました。(2016年 6月 4日)
(2010年11月27日 記
2020年 8月29日 更新)