1987年の曲であります。前年に「Give Me Up(Michael Fortunati)」という曲がヒットしたのですが、それと曲調が似ていて、「なんだ、パクリじゃねぇかぁ」と思ってました。でも、曲調を似せたのには理由があったんですな。これは、「Give Me Up(Michael Fortunati)」のアンサーソングなんだそうです。「Give Me Up(Michael Fortunati)」は、なかなか自分の恋人になってくれない彼女にキレて他の女性に心を移してしまう、という内容ですが、こちらは、昔ふられた男からよりを戻すように連絡があって、不安に思いながらも元の仲におさまっていく、という内容です。うまくいくようで行かない男女の仲という題材は一緒なのですが、かたや、男性からの描写でわがままな彼女にキレてその娘とはさよなら、かたや、女性からの描写で昔自分を振った彼が戻ってくるのを受け入れる、ということで、これはBananaramaに一本だな。2コーラス目は、よりを戻そうとする彼に、どうしようか思い悩む様が描かれますが、間奏を挟んだ3コーラス目では、元の鞘に収まろうとしていて、この展開はなんともにくいです。
私にとっては、80年代は就職して田舎から都会に移った時期で、東京の女性があまりにも魅力的だったので、ガラにもなく女性にもてるために音楽を聴いていた時期です。あの頃聴いていた曲は、今となってはかなり恥ずかしくて聞けませんが、なぜかしらこの曲はなじみますね。この曲は、「Give Me Up(Michael Fortunati)」のアンサーソングな訳で、普通、そういうときはテンションを上げるものなんですが、こちらは(恐らく敢えて)テンションを落としています。それが何ともツボにはまりました。Youtubeにプロモーションビデオがありますが、これも結構はまりました。(2015年 2月28日)

改めて読み返してみると、結構誤訳がありました。で、訳し直しました。冒頭の場面は、「呼び出したのに何も言わない元カレを前に『彼は私とよりを戻したいと思っている』と思う」場面なので、「友達がほしくても人はそれを決して表に出さないもの。あなたが知りたいのはこういうことだったんでしょう?」は誤訳ではありませんが、状況が伝わるように訳し直しました。2コーラス目の冒頭のwhenの節は過去形ですからthinkingの方じゃなくてlonely nightsの方にかかるので、「あなたからの電話を待っているとき昔の寂しかった夜を思い出していた」は誤訳ですね。あと、「They say you got a broken heart」は自分が別れた時のことではなくその後の別れのことを指しているから「あなたも傷ついていたって」は誤訳でした。それから「How can I forgive or soon forget」は、否定形の意味のものをorでつなぐわけですから、「○○も○○もできない」という風に訳すべきですね。とまあ、結構ボロボロな訳でした。「It's never gonna be the same」は「前と同じになんて絶対させないわ」よりも適切な訳があるかもしれないと思っていますが、これでほぼちゃんとした訳になったと思います。(2018年 1月13日)

"Who needs friends who never show. I'll tell you what you want to know"を「あなたは何も言わないけど、支えてくれる人を求めて私の返事を待っている、図星でしょ」と訳すのは意訳のしすぎかなぁ、と思って訳し直しました。"Baby, I'm too afraid"は略さずに書くと"I'm too afraid to give you a second chance"でしょうから、「そんなの怖くてできないわ」の方が近いのでしょうが、歌詞のストーリーにはまらないので変えませんでした。(2019年 4月13日)

(2015年 2月28日　記
2019年 4月13日　更新)