★ [SilverSackの自画自賛] SilverSackのMusic Box
ゴミ箱には魚の頭がまた一つ
台所の行列にはスープにありつけなかった人がまた一人
ご降臨頂く理由がまた一つ増えました
キリストさん、もう降臨したほうがいいですよ
隠れていたやっかい事がまた一つ
生活保護の世話になる貧乏人がまた一人
15階から飛び降りる昇天旅行がまた一件
今語られる偉大な物語は
史上最悪、最低だ
だって、あなたはあの時永遠の命と
理想の社会を約束したから
その時私たちはその言葉を聞こえない耳で聞き
見えない目で見てしまったけれど
あなたの身体が釘で十字架に打ち付けられた時
私たちはあなたがその身を私たちに捧げたと知ったのです
精霊の降臨をもう一度
悲惨な今をなんとかするには奇跡が山ほど必要
復活したはずなのに、彼は二千年もの間姿を現していない
彼のために席を温め、テーブルもセットしているのに
二度目の最後の晩餐よ、来たれーーーーっ!
(間奏)
お金に埋もれた導師様がまた一人
封書の中に入れられたマントラがまた一通
これが貧乏人が手っ取り早く金持ちになる方法
なんと今や、神様の土地まで売りに出されているんだ
キリストさん、復活する時ですよー
もう降臨したほうがいいですよー
いまや、教会は賛美歌にも鐘を鳴らさなくなっちゃいました
キリストさん、久しくご無沙汰ですよね
イヤー、ご無沙汰、ホント、ご無沙汰
復活したはずなのに、彼は二千年もの間姿を現していない
彼のために席を温め、テーブルもセットしているのに
二度目の最後の晩餐よ、来たれーーーーっ!
(原詩)
Another fish head in the dustbin
Another loser in the queue for the soup kitchen
Another reason for a visit
We think you'd better come down
Another nigger on the woodpile
Another honky on the dole
Another trip from off the 15th floor
The greatest story ever told
Was so wrong, so wrong
'Cause you promised milk and honey
With an everlasting life
And we listened with our ears closed
And a blindness in our eyes
But we heard them as they nailed you
And we saw you crucified
The second coming of the Holy Ghost
We need a pocketful of miracles
Two thousand years and he ain't shown yet
We kept his seat warm and the table set
The second sitting for the Last Supper
(interlude)
Another Guru in the money
Another mantra in the mail
An easy way from rags to riches
God's little acre's up for sale
The time is right for resurrection
We think you'd better come down
The church don't ring with hallelujahs
You haven't been for so long
So long, so long
Two thousand years and he ain't shown yet
We kept his seat warm and the table set
The second sitting for the Last Supper
「The Second Sitting for the Last Supper」というタイトルが10ccらしいですね。なんで「The Last」なのに「The Second」があるんだと突っ込みたくなりますが、つけた10ccとしてはそれも折り込み済でしょう。曲の内容は、上の訳の通りで、食べ物に困る人もいる、金に困って飛び降り自殺する人もいる、エセ宗教家が大金を稼いでいる、なんて悲惨な現実を前に、神の降臨を望み、奇跡を願うというものですが、「あんた、2000年も来てないよねぇ」と、神の存在を若干疑っています。曲は、10ccには珍しいロックンロール調です。サビはファルセットできれいなメロディになるんですか、最後の「Supper」はシャウトしていて、コミカルな味が入っています。単純なロックンロールじゃないんですよ。やっぱり一ひねりありますよね。
ちょっと英語のお話をすると、キリストを題材にした曲ですから聖書にちなんだ表現が使われています。10ccだからそのくらい凝るのは当たり前です。「'Cause you promised milk and honey」の「milk and honey」は、モーゼで有名な「出エジプト記」の3章8節の「乳と蜜の流れる土地」から来ていて、豊かな土地を意味する言葉です。「with our ears closed and a blindness in our eyes」は、「イザヤ書」32章3節に出てくる「こうして、見るものの目は開かれ、聞くものの耳はよく聞き」を否定形で使ったものです。ここら辺は当然ながらキリスト教国ではみんなスッと「あ、聖書から取ったな」と分かるんでしょう。
(2017年11月18日 記)