ニューヨーク、ロンドン、山道とおそらくはサンセット大通りからはかなり離れた場所でとんでもないことに遭遇して、それで兎にも角にも「サンセット大通りに戻るんだ」と歌う歌です。で、この歌にに出てくる「Sunset Boulevard(サンセット大通り)」は、地名としてはあちこちにありますが、ロサンゼルスのハリウッドからビバリーヒルズに続くサンセット大通りのことで、セレブが集まっている通りということでしょう。曲調は、一部マーチのような、一部ファンファーレのような感じなので、何があってもここに戻れば大丈夫といったところでしょうか。3コーラス目が切れているということは、事故が起きて続きがいえなくなっちゃったという意味で、そういう意味ではお馬鹿なお金持ちを揶揄しているところがあると思います。間奏のシンセサイザーのソロのメロディーは、このアルバムの中で私が最も好きなところです。
2コーラス目のIRAは、今となっては解説が要りますかね。北アイルランドはイギリスの一部ですが、アイルランド - カトリック、イギリス - 英国国教会で、宗教が違っていて、北アイルランドでは独立運動があったんですね。で、その独立運動を主導していたのが北アイルランド共和軍(IRA)だったのです。1970年代と1980年代は結構IRAによるテロがありました。私は1991年に北アイルランドのベルファストに行ったことがあるのですが、その頃はいつテロがあるか分からないということで、ホテルのチェックインの時もセキュリティチェックがあったと、そういう状況でした。(2017年5月13日)
一個、恥ずかしい誤訳がありました。「Scotland Yard」は、ロンドン警視庁ですね。何でロンドンのテロでスコットランドがぶっ飛ぶんだ。
タイトルの「When the Shit Hits the Fan」は、元々の意味は「ウンコがプロペラに当たった時」ということです。どうなるかというと汚物がそこら中に飛び散るわけで、それで「とんでもないことが起きた時」とそういうことになるそうです。(2017年 6月17日)

(2017年 5月13日　記
2017年 6月17日　更新)