ここでは、デスクトップ環境のLUMINAのインストールと設定について書きます。この作業の前に

• 「デスクトップ環境の構築 - 1(a). FreeBSDのインストール(FreeBSD Latest)」
• 「デスクトップ環境の構築 - 2(a). FreeBSDとPackage/Portsに関連する初期作業(FreeBSD Latest)」
• 「デスクトップ環境の構築 - 3(a). xorgのインストールとデバイスに関連する設定作業(FreeBSD Latest)」

の3つの作業を終えておいてください。FreeBSDのバージョンが異なる場合は、対応する記事を参照してください。

1. 必要なアプリのインストール
1. LUMINAのインストール

LUMINAをインストールします。ターミナルエミュレーターがxtermしかないので、XFCE4のターミナルもインストールします。コマンドプロンプトで以下のコマンドを打ってください。

　　# pkg install lumina xfce4-terminal[ENTER]
2. ディスプレーマネージャーのインストール

軽いということで、ディスプレーマネージャーはlightdmをインストールします。関連するパッケージも一緒にインストールします。

　　# pkg install lightdm lightdm-gtk-greeter lightdm-gtk-greeter-settings[ENTER]
3. 日本語入力環境のインストール

日本語入力環境は、IBusとMozcの組み合わせを使用します。
コマンドプロンプトで以下のコマンドを打ってください。

　　# pkg install ja-ibus-mozc[ENTER]
2. デスクトップ環境の設定
1. 必須機能の起動設定

システム起動時にLUMINAの起動に必要な機能が起動するようにします。/etc/rc.confファイルに以下の記載を追記します。

　　dbus_enable="YES"
2. GUIログイン画面表示の設定

GUIのログイン画面が立ち上がるようにします。/etc/rc.confに以下の記載を追加します。

　　lightdm_enable="YES"
3. デスクトップ環境の起動設定

LUMINAの起動時に必要な前作業を指定します。
各ユーザーのホームディレクトリに.xprofileというファイルを作成して、以下の内容を記載してください。

　　#!/bin/sh
　　# DSB automounter
　　dsbmc-cli -a &
　　dsbmc &
　　# set locale
　　export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
　　export LANGUAGE=ja_JP.UTF-8
　　export LANG=ja_JP.UTF-8
　　# set input method
　　export GTK_IM_MODULE=ibus
　　export QT_IM_MODULE=xim
　　export XMODIFIERS='@im=ibus'
　　# execute uim/mozc as daemon
　　/usr/local/bin/mozc start
　　ibus-daemon -r --daemonize --xim
内容は、dsbmcの起動と言語の設定と日本語入力ツールの設定です。このファイルを各ユーザーのホームディレクトリに入れてください。
4. Mozcの入力メソッドへの追加

なぜか、IBusの入力メソッドに一緒にインストールしたはずのMozcが登録されていないので、手動で登録します。
「MATEのスタートメニュー」→「システム」→「設定」→「その他」→「iBusの設定」で設定画面を開き、「入力メソッド」タブで「追加」ボタンを押して「日本語」→「日本語 - Mozc」と辿って追加します。既に登録されていたものは、削除しても不便はないと思います。

5. ログイン画面のカスタマイズ
1. ログイン画面の背景に好みの画像を設定したい時は、以下の手順で行います。
   1. 画像を/usr/loca/share/pixmapsにコピーします。
      　　# cp /home/silversack/mybackground.jpg /usr/local/share/pixmaps
      ファイル名は例です。
   2. /usr/local/etc/lightdm/lightdm-gtk-greeter.confの50行目当たりの
      　　[greeter]
　　#background=
      を
      　　[greeter]
　　background=/usr/local/share/pixmaps/mybackground.jpg
      に書き換えてください。
2. ユーザーのアバターを設定したい場合は、使用したい画像を.faceというファイル名でホームディレクトリにコピーします。こんな感じです。
   　　# cp /home/silversack/Downloads/mypicture.jpg /home/silversack/.face

補足情報

• コントロールパネルを機能させるためにsysadm/sysadm-clientをインストールして、rc.confにenable設定もしていましたが、機能しません。なんでだろ?(2018年 7月28日)
  sysadm/sysadm-clientは、なくなりました。って、もうしばらく前からなかったようですが。luminaの開発って、結構前途多難なんでしょうか。(2020年 5月 9日)
• halがなくなったので、消しました。別に消してもなんの問題もなく動きました。いつ頃からそうだったんだろ。(2021年 3月20日)
• ログインマネージャーをslimからlightdmに変更しました。lightdmがデスクトップ環境を起動してくれるので、起動ファイルがいくらかでもシンプルになります。この変更で複数デスクトップをインストールして起動時に好きなデスクトップ環境を選択して起動ということも可能になります。(2022年 1月29日)
• 日本語入力は、ja-fcitx-mozcはmozcの設定画面が表示されない、ja-uim-mozcは動作インジケーターがタスクバーに表示されない、といった問題があるので、ja-ibus-mozcにしました。(2022年 1月29日)
• lightdm-gtk-greeter-settingsは、設定用のウィンドウを開くpackageのようですが、表示されません。現在メンテナーがいない関係かもしれません。(2022年 1月29日)
• 今年の1月に1.6.2,3が出ました(packageが出たのがいつかまでは把握していませんが)。これまでは、設定画面が使えなくなるとか、徐々に朽ちていく感じだったので、全く期待していなかったのですが、1.6.2,3でかなりまともになりました。ウィンドウの枠がはっきりして、各ウィンドウの境が分かるようになったし、設定メニューが動くようになったし、心なしかユーティリティも充実した気がします。Lumina Text EditorとかLumina Image ViewerとかLumina Media Playerなんて今までなかったんじゃないかな。(2022年 6月 4日)
• 2023/4/25に1.6.2_1.3が出たようですが、それのパッケージは7月の定期更新で用意されたようです。一応、13.2(amd64, i386)、12.4(amd64, i386)で構築してみましたが、13.2(i386)では・インストールメディア起動時に強制終了、起動する13.0からfreebsd-updateで13.2にすると、それまで起動していたものが起動時に強制終了になるという案配で構築できませんでした。環境はvirtualbox-7.0ですが、別に13.2が全部起動しないわけではなく、再現条件は目下の所不明です。他は問題なく構築できました。virtualbox-ose-additionsは全て期待通りに動作しました。kde5やlxqtあたりのqt系のデスクトップ環境で期待の動作にならないっぽいので、qt回りの問題かもしれません。(2023年 8月19日)

[その他の情報]

なお、このページを書くに当たって、以下の記事を参考にしました。

• 「ArchLinux」の「LightDM」のページ(LightDMのカスタマイズについて)

今回のセットアップでの主なモジュールのバージョン
lumina	1.6.2_1,3
lightdm	1.32.0_1
dbus	1.14.6,1
ibus-mozc	2.23.2815.102.01_13

(2018年 4月28日　記
2023年 8月19日　更新)