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ここでは、雲南民族村の内容を中心にして、昆明の少数民族について、まとめてみます。以下が雲南民族村の略図で、ここでは全部で15の少数民族の村があります。雲南民族村でのモデルコースは、正門から入って傣族村から時計回りに見ていって最後に蔵族村で終わるというもののようです。それぞれの民族の雲南省での居住地区はその下の地図のようになります。勿論、その民族の人が一人残らずその地域に住んでいるはずはないので、あくまで参考、傾向としての情報です。

それぞれの民族は、大体以下のような特徴を持っています。

1. 南西部(シーサンパンナ)の少数民族

傣族

• 雲南省内に101万人ほど住んでいるようです。熱心な仏教徒が多く、顔立ちも中国人というよりは、タイ人に近いです。新年を祝う「水かけ祭り」が有名です。
• 民族村では、華やかな木造建築が立ち並ぶ結構大きな村を作っています。タイに通ずる金ピカ系の装飾が結構あり、タイの文化の香りがします。
• 民族村での踊りのショーは、9:30、13:00、15:30、16:00の4回行われています。

徳昂族

• 傣族と並んで仏教を信仰する民族です。雲南省内に1.5万人ほど住んでいるようです。
• 民族村では、「水かけ祭り」のことを紹介しており、この民族も水かけ祭りを行うようです。民族村では最後の方に回ったのですが、殆ど村がしまっていて、服装や顔立ちは確認できませんでした。

佤族

• 雲南省内に35万人ほど住んでいます。村には、至る所に牛の頭蓋骨が飾っており、最も戦闘的な雰囲気を漂わせています。万物に神が宿るという自然宗教を信仰しているということです。
• 建物も質素な木造建築で、屋根も茅葺きです。服装や顔立ちも野性的な感じです。
• 民族村では、10:00、11:00、14:00、16:00に佤族の歌が披露されるようです。ちょうど行ったときに見られたのですが、全然中国ぽい感じはなく、独特の迫力がありました

布朗族

• 雲南省内に8万人ほど住んでいます。布朗族も佤族と同様に自然宗教を信仰している民族のようです。佤族は牛の頭蓋骨が特徴的ですが、こちらはトーテムポールが印象的です。住居棟の建物は、木造で屋根は茅葺きと質素な作りです。
• 民族的にも地理的にも佤族に近いようです。村も隣通しで、ショーも佤族と一緒に行っています。

拉祜族

• 元々は多神原始宗教を信仰していた様ですが、今は若干様変わりしているようです。
• 雲南省には41万人ほど住んでいます。村を見たところでは、家は、木造と茅葺きの屋根ですが、佤族や布朗族よりは大きく、米倉なども持っているようで、もう少し落ち着いた雰囲気です。ただ、中国では「虎刈り民族」といわれているようで、村にも「弓矢のゲーム」がありました。
• 基诺族と一緒に、10:30、13:30、15:30、16:30にショーをやっています。佤族と同様に歌を披露するようですが、(歌い手の技量の問題だと思いますが、)こちらはイマイチでした。

基诺族

• 雲南省内に1.8万人ほど住んでいます。民族村の中の村を見ると拉祜族の村とよく似ているように思います。建物が、木造で屋根は茅葺きというのも一緒です。宗教は、祖先信仰が基本のようです。
• ショーは、拉祜族と一緒です。

景颇族

• 雲南省内には12万人ほど住んでいます。宗教は、多神原始宗教ということですが、民族村の村にはえらく大きなお寺がしつらえてありました。
• 10:00、13:00、15:00、16:00に踊りのショーがあります。景颇族の踊りは、男女が一緒踊るもので、曲調は結構勇ましいものでした。

2. 南東部の少数民族

哈尼族

• 雲南省に125万人住んでいます。建物は土塗り白壁に茅葺きの屋根と独特の組み合わせです。村の広場にはトーテムポールのようなものがあったりして、祖先を信仰していることを感じさせます。
• 11:30、13:30、14:30、16:30に踊りのショーがあります。踊り、歌の好きな民族だそうですが、表情の豊かな楽しいメロディーに乗って軽やかな踊りを見せてくれます。村の雰囲気は、南方系のタイやラオスっぽい感じなのですが、音楽は結構中国っぽい感じです。

壮族

• 実は雲南省の隣の広西壮族自治区が本拠地で、雲南省にいるのは全体の1/15の100万人です。壮族は中国最大の少数民族だそうです。
• 建物は、瓦屋根に木造、六角の塔があったりして、結構文化レベルの高い感じです。稲作が得意らしく、石臼や脱穀用の臼と杵なんかが展示してありました。
• とても音のよく通る笛が特色らしく、その曲がずっとかかっていました。曲調はOne Of 中国といった感じでした。

苗族

• この民族も隣の広西壮族自治区が本拠地の民族です。中国全土では740万人いますが、雲南省に住んでいるのはそのうちの90万人です。女性は髪をひたすら伸ばすとか、求愛を歌で行うといった風習で知られる民族です。
• ただ、今回は地図の記載ミスで、苗族の村には行きそびれてしまいました。ということで、これ以上のコメントなしです。

3. 北西部の少数民族

白族

• 大理という町の近くに住む民族です。134万人住んでいます。宗教的には、神と仏教が同居する日本と似たような信仰形態のようです。
• 大理石の大理は、この大理の町から取ったということです。そういうだけあって、建物は石造りのしっかりした立派なものです。白は白族にとって神聖な色らしく、建物の壁も白が基調になっています。家も雰囲気のある中庭をしつらえたもので、なんとも感じの良いものでした
• 民族村の中の村は、50mほどの街並みになっていて、一番都会的な感じです。10:50、14:30、15:50、16:50にショーがあるのですが、非常に華やかな印象でした。中国っぽいといえば中国っぽい感じです。

納西族

• 雲南省北西の麗江という美しい町の近くに住む民族です。27万人ほどいます。
• 漢字とは全く異なった象形文字を持っています。東巴文というそうです。これがこの民族の一番の特徴だと思います。
• 住居は、中庭があったりして、白族と共通した点もありますが、全体的に白族よりも質素な印象です。宗教も仏教ではなく、トンパ教という多神教だそうです。

摩梭族

• 摩梭は、独立した民族ではなく、雲南省の北端の地域に住む納西族の分派のようです。
• 住居は、納西族同様中庭を持ったものですが、更に質素になって、中庭というよりは土間に近い印象があります。

蔵族(チベット族)

• 蔵族の本拠地は、ご存じの通りチベット自治区(西蔵自治区)です。蔵族は中国に460万人ほどいますが、このうち雲南省に住んでいるのは11万人ほどです。大理の西が主な居住区のようです。
• チベットに関しては、結構日本にも紹介されているので、余り説明は必要ないでしょう。独特のチベット仏教を信仰し、建物も寺院も白壁で窓が小さい独特のものです。
• 10:30、14:00、15:30、17:10にショーがあります。遊牧民族っぽい感じの踊りが披露されます。ショーの最後では「皆さん一緒に踊りましょう。」なんとことになって、結構人なつっこい雰囲気です。
• 村ではバター茶を売っていました。甘いのとしょっぱいのがあるようですが、しょっぱいのしかなかったのでそれを飲みました。店のお姉さんも「ほんとに良いですか。」という感じで、売ってくれたのですが、有塩バターをお湯に溶かした感じの飲み物で確かに美味ではありませんでした。

4. 中央部の少数民族

彝族

• 中国全土に660万人、雲南省には405万人が住む民族です。雲南省では最大の少数民族です。
• ただ、民族村の村は、結構殺風景で、結局どういう民族からよく分かりませんでした。

全体的な感じとしては、

• やはり人口の多い民族が色濃い文化を持っていて印象も強いです。傣族、白族、納西族、蔵族、佤族あたりが特に印象に残りました。
• シーサンパンナ近辺の6民族(景颇族以外)は、中国というよりは東南アジアの印象です。それ以外は、逆に少数民族といってもやっぱり中国といった感じです。
• 雲南省の観光地としては、大理、麗江、景供ということになるのですが、民族村を見た結論としてもやっぱりそういうことになるようです。

といったところでした。

(2005年9月18日　記)