この「Tales from Topographics Oceans」は、YESとしては、初めてまじめにつけたアルバムのタイトルじゃないでしょうか。1stは、バンド名そのまま、3rdは、「The Yes Album」(オイオイ)、4th, 5thの「Fragile」、「Close to the Edge」は、当時のバンドの状態をそのままアルバムのタイトルにしたもの。2ndの「Time and a Word」がタイトルと呼べるものかもしれませんが、これもアルバムの中の曲のタイトルだし。
この「Tales from Topographics Oceans」というアルバムには「海洋地形学の物語」という邦題がついていました。英語を忠実に訳すと「地理的に捕らえた数々の海から送られたいくつかの物語」という感じでしょうか。topographic oceansという英語で表現したかったことは、こういうことでしょう。私たちは、海というと青い水面を思い浮かべて、真っ平らな起伏のない世界をイメージするけれども、その下の海底には海の上とと同じように谷があったり、山があったり、平地があったりと、一つの世界があるんだ、ということが、topographicという形容詞に込めた意味。で、oceansですから、一つの海という同質の世界じゃなくて、世界中にある様々に異なった海という多様な世界というイメージ。地球にある私たちの知らないもう一つの多様な世界から届けられた物語の数々をお話ししましょう、ということですな。
(2017年 2月18日 記)