1. (その1) リベラルってリベラルじゃないじゃん
2. (その2) 日本におけるリベラルの系譜
3. (その3) 社会的投資国家とは
4. (その4) 有権者の六つのグループ
5. (その5) 新しいリベラルについて思うこと

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• 有権者の六つのグループ

「日本に新しいリベラルの考え方を持つ層が形成されているのではないか」というこの仮説をどういう形で検証したかですが、多くの方にアンケートを取って意識調査を行い、その統計データから検証を行ったという形のようです。調査の詳しい内容は、この本を読んでいただくとして、調査の結論は以下のようになったようです。

グループ名	全体の中の割合	支持する政策	人物像
新しいリベラル	23%	現役世代、将来世代への支援を優先 女性活躍支援はハンディキャップの補償で行うべき 日米安保への賛成度合いは標準的 同性婚の合法化へ賛成する割合が高い	安定した生活を送る子育て世代
政治的無関心	20%	政府による支援は不要 政府による女性活躍支援は不要 日米安保への賛否は回答せず 同性婚の合法化への賛否は回答せず	独身の男性若年・中年層
従来型リベラル	18%	社会的弱者への支援を優先 女性活躍支援は割当まで行うべき 日米安保へ反対する割合が高い 同性婚の合法化へ賛成する割合が高い	生活がやや苦しい女性高齢層
福祉的保守	16%	社会的弱者への支援を優先 女性活躍支援はハンディキャップの補償で行うべき 日米安保へ賛成する割合が高い 同性婚の合法化へ賛成する割合が高い	安定した生活を送るリタイヤ層
成長型中道	13%	現役世代、将来世代への支援を優先 女性活躍支援はハンディキャップの補償で行うべき 日米安保への賛成度合いは標準的 同性婚の合法化へ賛成する割合が高い	仕事に打ち込む女性中年層
市場型保守	9%	政府による支援は不要 政府による女性活躍支援は不要 日米安保への賛成度合いは標準的 同性婚の合法化へ賛成する割合が低い	安定した生活を送る男性中年層

• 並べてみて思うこと

人物像と支持する政策を並べてみると、「そりゃ、そうなるだろ」という気がします。基本的に自分を利する政策を支持しているという範疇を超えていない気がします。現役男性(市場的保守、政治的無関心)が女性活躍支援は不要を支持するとか、生活が苦しい層が社会的弱者への支援の優先を支持するとか、子育て世代が現役世代、将来世代への支援の優先を支持するとか、リタイヤ層が社会的弱者への支援の優先を支持するとか。

ここから何か新しい政治的な理念を持った層が形成されようとしている、と見るのは、無理があるような気がします。

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(2025年 9月 6日　記)

(その5) 新しいリベラルについて思うこと